- 貸衣装の仕事
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私は、数年前まで名古屋のホテルの衣装室に勤めておりました。15年余りの期間でしたが、本当に色々なことがありましたね。
楽しかったことは、もちろんたくさんありましたが、目が点なんてこともたくさんありました。

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結婚式場と貸衣装室のある名古屋のホテル仕事
ホテルの貸衣装室は、ほとんどがこの名古屋の結婚式場で挙げる新郎、新婦、親族などが利用致します。
私が勤め始めた頃は、新婦だけで100万円以上の衣装を借りることもありました。
平均の衣装代は、50万円ぐらいでしたが、だんだんと衣装代も低く設定するようになってきましたね。
一昔前までは、衣装の点数も4枚着用する方が多かったです。
神前式の場合、打ち掛け2点、ドレス2点かな?
その後は、人前式、チャペル式が盛んになりましたから、衣装も多くて3点ぐらいになりました。
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新郎の衣装
また、新郎の衣装も、新婦の衣装が変わるたびに着替えをするようになりました。
ずいぶん前は、花嫁さんが4点着ると新郎は2点でしたが、そのうちに同じ点数を着る男性も現れました。
私が担当したお客さんの話です。
お見合いで結婚が決まったお二人で、とても初々しい二人でした。
お嫁さんが、白無垢、色打ち掛け、白ドレス。色ドレスと決まりました。
新郎に「これでよろしいですか?」と、お聞きしたら
何と彼は、「僕のお母さんに、聞いて下さい。僕、わからないので・・・・・。」と、おっしゃいましたので、結婚式場の打ち合わせをしていた彼の母上と彼女の母上を衣装室にお呼びして、お聞きしたところ、お婿さんのお母さんは、彼女の衣装を見ることなく、「うちの息子にも、嫁さんと同じ数だけ衣装を着せてやってね。お嫁さんばかり目立ってはいかんからね。」と、おっしゃり、私はびっくりしました。
まぁー、これは稀な話なので、何年たっても私自身も覚えている印象に残るカップルです。
この2人、今頃どうしているのでしょうか?
その時、私が思ったことは、前途多難だなーなんて、新婦のこと心配していました。
また、この新郎の母上とは全く違うタイプの母もいましたね。
「息子は、刺身のつまといっしょだから嫁さんがきれいに見えるようにしてやってね。息子の衣装は、そちらに任せます。」と、言って下さるお母さんもいました。
私としては、どちらも一生懸命コーディネートを考えますが、自分の娘だったら後者のお母さんのような感じのおうちにご縁があったらいいなーと、思いました。
とにかく、貸衣装室は、お二人の将来が見え隠れする場所であることは確かです。
名古屋のお婿さんとお嫁さんはこだわりが非常に強いかたが多く、何着試着しても決まらないことが多いですね。
たくさんの衣装を着過ぎると、何が良いのか悪いのかわからなくなり、結果、結婚式近くになっても決まらないことがあります。結婚式は、衣装だけではないです。
衣装が決まれば、アクセサリー、ヘアースタイル、ブーケなどが決めることが出来ますが、決定されていないと、なにも決めることが出来ない事態になりますね。
結婚式に行く日が近付けば、披露宴の打ち合わせなどが忙しくなりますので、せめて2ヶ月前ぐらいに決めることが出来ればよいのですがね。
また、大安、友引と、お祝い事に良い日とされている日は、衣装も人気の物は出払いますので、早め早めに衣装を決めることをお勧めいたします。
花嫁さんの衣装が決定しない限り、お婿さんの衣装も決められないのが普通です。
お嫁さんの衣装の点数と同じだけ着用する場合もあるし、お嫁さんが、ドレスを何点着ても新郎は1点だけということもあります。
通常、新婦が2点の打ち掛けなど和装を着ても新郎は1点の紋付袴のことが多いですが、お嫁さんの和装が変わればそのように新郎の紋付袴が変わったこともありました。
新郎の衣装も最近では、非常に華やかな物があります。
一昔前は、黒、グレーが主でした。
少しお洒落な感じになると、ベージュや少し光沢のある紺色もありました。
名古屋の新郎さんの貸衣装代金は、新婦よりはかなり価格は低いですが、それでも平均は8万円ぐらいだそうです。
2点着用すれば16万円、紋付袴が必要であれば、20万円以上はしますね。
これを、安いと思うか、高いと思うか・・・・・。
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親の衣装
それから、貸衣装は、新郎新婦だけではありません。
両家のご両親も借りますね。
特に父親のモーニングは、ほとんどの方が持っていませんので、借りることになります。
これは、さほど難しいことではありませんので、サイズさえ合えばOKです。
本当に稀に、父上もお洒落な物を要求されることがありますが、ほとんど種類がありません。
紋服をお召しになる方もありますが、数は少ないですね。
基本は、両家の親は同じ格の衣装を着るのが常識ですので、着物か服かは事前にご相談されるといいと思います。
また、新郎の母親は多少地味目の柄の留袖の方が良いとされています。
これは、花嫁への配慮なのでしょうか?
私が仕事をしていた時も、名古屋にお住まいの方で、50ぐらいの新郎の母親が、20代用の留袖を選ばれていましたので、少しお話しましたが、結果、大きな赤いボタンの花が描かれている留袖をお召しになられました。
新婦さんの母親はビックリして笑っていましたが、きっとなにか思われたのでしょう。
まぁー、私の努力不足でしたが、なぜかお似合いになっていたので、いいかなーと・・・・・。
客を怒らせるわけにはいけませんので、衣装室勤務もなかなか気苦労が多いです。
友人の話ですが、お父さんも衣装を借りたいからと、結婚式の打ち合わせの日に一緒に出かけたのだそう。
いつもそこまでオシャレをしないお父さんでしたが、私服でもマイル―ルがある感じの人らしいです。
お父さんが着る衣装ってそこまで選ぶ程ないですが、
その中でもしっかりしたものを選んだみたいで、なんと、当日に合わせて眼鏡も新調したのだそうですよ。
スゴイこだわりじゃないですか~!
眼鏡って、そういう時に新調しようって思います?
逆にそういう時しか、新調しようって思いきらないか?
私なら。壊れた時位ですよ。
お父さんも娘の結婚がよっぽど、嬉しかったのでしょうね。
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リングボーイ・リングボーイの衣裳
結婚式場での結婚式に花を添える存在の、リングボーイ・リングガールたち。
そこまで、日本では浸透していない役割ですが、名古屋の結婚式場でも最近では見かけることがある演出で、アメリカでは一般的な演出の1つみたいですね。
名古屋での結婚式場に招待する親戚の中で4歳から10歳くらいの子がいたら、頼んでもいいかもしれませんね。小さな子が役をもらって頑張る姿はとても微笑ましく、緊張で張りつめた空気の中でもほっこり和んだ雰囲気になりますよね。
衣裳はドレスやスーツを着る事が多いようですね。
小さいお子さんだと、いつもと違う雰囲気で、当日泣いてしまうこともあるかもしれませんが、兄弟、親がそばでフォローしてくれると安心してできることが多いみたいですよ。 親戚に小さな子がいたら、頼んでみるのもいいですよね。 名古屋の人に限らず、自分の子供が活躍する姿を見られるのはきっと、喜ばしい事でしょう。
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